クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、文字どおり、あるプロジェクトに共感する多くの人々からプロジェクトを達成するための資金を調達するスキームとなります。
資金調達といえば、一般的に金融機関からの借入や出資などがあげられます。クラウドファンディングは、そういった資金調達とは異なり、誰でも始められる手軽さ・SNS等での拡散による広がり・(企業にとっては)テストマーケティングにも使える有用性といった点が武器の新たな資金調達の仕組みとして近年注目されています。
特に2020年に発生したコロナウイルス以降は、3億円を集めた「ミニシアター・エイド基金」など様々なプロジェクトが話題を呼び、その存在感はますます増しています。
クラウドファンディングの歴史
2001年、アメリカにて最初のクラウドファンディングプラットフォーム「ArtistShare」が運営を開始したのが始まりとされており、2008年の「Indiegogo」や2009年の「Kickstarter」は、現在では10億円規模のプロジェクトが成立するまでに発展しています。
日本では、2011年に、MOTIONGALLERYやREADYFOR様・CAMPFIRE様が登場、以降数多くのプラットフォームが登場しております。
インターネットを利用した現在のクラウドファンディングは、2011年の東日本大震災の際に復興支援を目的とした寄付型クラウドファンディングが広がったことが端緒となっています。それに呼応してMOTIONGALLERYやCAMPFIRE様のような購入型クラウドファンディングが広がり、2014年5月には規制を緩和する金融商品取引法の改正案が国会で可決成立したことに伴って投資型クラウドファンディングも注目されるようになりました。
クラウドファンディングの考え方は、実は日本人には馴染み深い物です。中世の日本では寺院や仏像などの新造・修復・再建のため庶民から広く寄付を求める「勧進」という動きが盛んになりました。無事に修繕が終わると、寄付者の名前が寺に記されることもあったと言います。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは、プロジェクトを起案し資金調達する「起案者(=プレゼンター)」、プロジェクトに資金提供する「支援者(=コレクター)」、弊社のような「プラットフォーム」の三者が関わる事業です。
クラウドファンディングの種類は
下記のように多岐に分かれます。購入型
購入型クラウドファンディングは、コレクターが商品の開発などに必要な資金を提供する代わりに、
出来上がった商品等をリターンとして受け取れるという仕組みです。
一般的に「クラウドファンディング」と言ったらこちらの種別を想像される方が多いかと存じます。
購入型の資金調達は2種類に分かれ、「All or Nothing型」は、募集期間内に目標金額を達成した場合のみ、プロジェクトが成立します。目標金額が集まってはじめて実行可能となるプロジェクトの場合は、こちらを選択することをおすすめします。目標金額に達成しない場合、コレクターに支援金は返還されます。
「All In型」の場合、プレゼンターは募集期間内に目標金額に達しなくてもそれまでに集まった金額を受け取ることが出来ます。ただし、掲載時にプロジェクトの実施を確約する必要があるため、内容によって利用できない場合があります。
All In型はMOTION GALLERYが
日本で初めてサービスをスタートしました代表的なプラットフォーム
寄付型
クラウドファンディングの仕組みを利用した寄付です。
認定NPO法人や自治体など、公益的な活動を行う団体に対する出資となります。
代表的なプラットフォーム
融資型
希望融資先が同じ他の資産家と資金を出し合い、大口化してコレクターに融資する仕組みです。
いわゆる「ソーシャルレンディング」としても知られています。
代表的なプラットフォーム
株式型
主に非上場企業株の株式に投資することが可能な種別です。
投資家一人につき年間で投資できる額の上限は50万円。
代表的なプラットフォーム
ファンド型
プラットフォームが、特定の事業に対して個人投資家から出資者を募る仕組みです。
出資者は、売上等の成果や、出資額に応じた金銭的なリターンを受け取る事ができます。
代表的なプラットフォーム
クラウドファンディングの
メリット・デメリット
プレゼンターのメリット
誰でも資金調達が可能
なんといっても、これがクラウドファンディングの最大の価値です。クラウドファンディングは、通常のビジネスでは資金調達が難しいプロジェクトでも、熱意と計画があれば誰でも資金調達を行うことを可能にするスキームです。弊社においても、『ハッピーアワー』『カメラを止めるな!』等国内外で話題になった映画作品をはじめとして、様々なプロジェクトがクラウドファンディングによって成立しました。
プレゼンターのデメリット
目標金額が達成されない 可能性がある・
管理コストが高い
プロジェクトが目標金額に到達するかどうかは、最終的には実施してみないとわかりません。もし目標金額に満たない場合、プロジェクトは頓挫、あるいは規模を縮小せざるをえないというリスクがあります。さらに、資金調達までの期間も数ヶ月と長いので、事前に入念な計画を立てて、確実に目標金額を達成できるようにする必要があります。またクラウドファンディングは、ただプロジェクトを立ててお金を集めるだけのものではありません。プロジェクトページを作成するための画像/動画の作成、そしてコレクター達へリターンの送付やサービスの提供を行う責任があります。こうした管理コストは決して小さくありません。クラウドファンディングの目標金額を低めに見積もり過ぎてしまったり、お金を集める事だけに集中してしまい、リターンに高価な商品などを設定してしまうと、管理コストが支払えなくなる可能性もあります。リターンは、そのプロジェクトの魅力を表現した体験や制作過程を支援者と共有する事が重要です。それによって管理コストを下げつつ、支援頂いたコレクターの方々に真の満足を頂ける幸せな関係性を築けます。
コレクターのメリット
社会的意義の大きさ
お金を出すコレクターにとって、クラウドファンディングの最大の魅力は、「通常では資金調達できないようなプロジェクトの成立に関わった」というある種の社会的意義を実感できることです。そのプロジェクトが後に話題になったり、受賞した場合には満足感もひとしおです。また、プレゼンターがコレクターのファンの場合、出したお金以上のリターンを受け取ることができます。プレゼンターはお金を得られ、コレクターは満足感を得られるという、WIN-WINの関係を築くことができます。
コレクターのメリット
プロジェクトが 実行されない/
失敗する可能性がある・ キャンセルができない
プレゼンターの見積もりが甘かった・想定以上の出費があった、など様々な理由によってプロジェクトが実行されない危険性が考えられます。また一度支援を行うと、基本的にはキャンセルによる払い戻しができません。なので、支援するプロジェクトは慎重に精査する必要があります。
クラウドファンディングの
メリット・デメリット
起案者にとっては、親和性の高いプラットフォーム選びと、戦略立案が重要になります。
詳細は、コラムをご覧いただけますと幸いです。
支援者にとっては、プロジェクトの内容・リターンをしっかりと確認することが重要です。
「共感」できるプロジェクトに支援することが、クラウドファンディングの精神なので、
自分が応援したいと感じるプロジェクトを精査する必要があります。
クラウドファンディングの事例
下記の通り、様々なジャンルのプロジェクトが公開されています。
弊社ではクリエイティブ関連のプロジェクトを始めとして、
イベントの実施やプロダクト開発など多種多様な取り組みが実現されてきました。